大阪市議会 1984-03-01
03月01日-01号
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○議長(
木下伸生君) 理事者の説明を求めます。大島市長。 (市長大島靖君登壇)
◎市長(大島靖君) 昭和59年度の予算案並びにこれに関連いたします諸案件の御審議をお願いするに当たりまして、その大要を御説明申し上げます。 国及び地方の財政は、依然として厳しい社会経済情勢のもとで一層深刻な状況にあり、今後国民生活の向上と経済の着実な発展をはかっていくためには、時代の変化に即応した行財政改革を強力に推進し、財政の対応力を回復することが緊急かつ重要な課題とされております。このため昭和59年度の国の予算並びに地方財政計画は、経費の徹底した節減合理化及び制度、施策の見直しと財源の重点的、効率的配分により、歳出規模の抑制を基本とした前年度に引き続く超緊縮予算となっております。このような情勢の中で、本市財政も税収入の大きな伸びが期待できず、加えて地方交付税収入も交付税総額の縮減に伴い、大幅な減少が続く反面、これまで積極的に進めてまいりました都市基盤と生活環境の整備に伴う管理運営費や公債償還費の増加、また福祉費や下水道事業等特別会計への繰出金など必須経費が増大する中で財政が硬直化しきわめて厳しい状況にあります。したがって、昭和59年度の予算編成に当たりましては、引き続き経費の節減を徹底いたしますとともに、行政全般の見直しと簡素、効率化をより一層推進し、あわせて市税の確保はもとより、市民の御理解を得ながら使用料等の改定など自主財源の増収もはかり、施策の厳しい選択による限られた財源の重点的配分に努めることといたしました。これにより市民の幸せと暮らしの向上を目指し、心温まる、きめ細かな施策を進めるとともに、21世紀に向けて、これまで蓄積してきた大阪の基盤、活力をさらに充実、発展させ、魅力ある都市を築き上げていくこととしたのであります。以上のような方針のもとに、新年度施策の重点を、第1に、福祉、健康、教育など心の通った、きめ細かな施策を進め、市民の幸せと新しい世代の育成をはかる、第2に、21世紀に向けてゆるぎない都市基盤と魅力ある都市景観を築く、第3に、地域経済の振興をはかり、暮らしやすい、文化を培う町づくりを進める、第4に、大阪市制100周年記念事業、大阪21世紀計画を推進し、世界に貢献する国際都市大阪を目指すことにおいて編成したのであります。このようにして編成いたしました昭和59年度の予算の総額は、2兆4,042億1,900万円で、前年度と比べ3.2%の増となり、各会計間の重複額を控除いたしました純計額は、1兆7,231億2,900万円で、前年度と比べ3.3%の増と相なっております。 これより各会計につきまして、その歳入歳出予算額の大要を申し上げます。 まず一般会計の予算額は1兆301億8,300万円で3.6%の増となっております。歳入につきましては、まず市税収入は相対的な伸び悩みに加えて、個人市民税の減税による減収が見込まれますものの、法人均等割の税率の引き上げ並びに景気の回復見込みによる法人市民税の増収などを考慮いたしまして、総じて前年度に比べ6.8%増の4,446億1,300万円を計上いたしました。また、地方交付税は、交付税総額の縮減などを勘案しながら220億円、地方譲与税、交付金は242億5,300万円を計上して、その確保に努めることといたしました。国及び府の支出金は、福祉関係費の増もあり、2.4%増の1,894億7,800万円を計上、また起債収入につきましては、国の地方財政対策による財源対策債の減などにより2.7%減の968億9,500万円を計上いたしました。このほか、使用料、手数料につきましては、市民の御理解を得て改定をはかることとし、自然増収の確保と合わせて338億7,800万円を計上、その他の収入につきましては2,190億6,600万円を計上いたしたのであります。なお、大都市税財源の拡充につきましては、かねてから市会の皆様方の力強い御協力をいただき、相当の成果を上げているところでありますが、今後とも大都市税財政制度の確立を目指して最大の努力を重ねてまいる所存であります。 他方、歳出では第1部が6,421億5,900万円で、前年度に比べ2.9%の伸びとなっておりますが、性質別に見ますと、公債費が5.9%、下水道事業などの特別会計への繰出金等が3.3%、扶助費が3.1%の伸びでありまして、一般行政運営費については1.5%の増にとどめております。また、第2部は、3,880億2,400万円で前年度に比べ4.8%の増と相なっております。このうち国庫補助事業は2.7%の減、単独事業では12.6%の増、交通事業など特別会計への繰出金等が1.6%の増となっております。 次に、特別会計の歳入歳出予算でありますが、まず大学医学部付属病院事業会計は、133億5,200万円で、一般会計から13億4,900万円を繰り入れ、新市場への移転を契機として会計名を変更した食肉市場事業会計は81億5,300万円で、一般会計から19億6,500万円を繰り入れ、宅地造成事業会計は2億6,900万円、市街地再開発事業会計は298億7,700万円、駐車場事業会計は11億1,900万円、有料橋となる淀川新橋の建設着手に伴い新設した有料道路事業会計は7,000万円、土地先行取得事業会計は471億3,000万円、母子福祉貸付資金会計は1億8,400万円、寡婦福祉貸付資金会計は4,100万円、また国民健康保険事業会計は1,326億9,300万円で、一般会計から116億円を繰り入れ、心身障害者扶養共済事業会計は1億4,000万円、老人保健医療事業会計は1,190億8,500万円を計上いたしております。 次に、準公営企業会計の支出予算でありますが、市民病院事業会計は、209億6,400万円でありまして、一般会計から34億2,200万円を繰り入れて、収益的収支はなお8,300万円の収支不足、中央卸売市場事業会計は63億4,800万円で、一般会計から5億6,500万円を繰り入れ、港営事業会計は240億6,300万円、また、下水道事業会計は1,128億7,100万円でありまして、本年度新たに下水道整備5ヵ年計画を策定することといたしておりますが、その財政において多額の収支不足が見込まれるため、一般会計からの繰入金を増額するとともに使用料の改定をお願いすることといたしております。 次に、公営企業会計でございますが、社会情勢の変化に伴う厳しい経営環境のもとで企業財政の悪化は放置できない状況にあり、かねてより公営企業審議会にこの改善策について御審議をお願いいたしておりましたところ、過日、当面の経営改善方策についての答申をいただきました。この答申の趣旨を尊重し、慎重に検討いたしました結果、市民生活を守り、サービスを維持するため、より一層の経営効率化と公共助成の拡充に努めますとともに、料金の改定をお願いすることといたしております。これに基づく本年度の支出予算額でございますが、自動車運送事業会計は、313億2,100万円で、一般会計から68億6,500万円を繰り入れて9,900万円の剰余、高速鉄道事業会計は、中量軌道事業を加えて2,067億2,800万円でありまして、一般会計から127億4,000万円を繰り入れて、なお19億9,500万円の収支不足、水道事業会計は756億8,800万円でありまして、47億6,400万円の剰余、工業用水道事業会計は49億3,600万円で2億2,800万円の収支不足となっております。 なお、整理会計であります公債費会計の予算額は5,390億400万円で、公債収入は全会計総じて1,952億800万円となっております。 以上、各会計の予算額を申し述べましたが、次にそのおもな事業について御説明申し上げます。 第1には、福祉、健康、教育など心の通ったきめ細かな施策を進め、市民の幸せと新しい世代の育成をはかることといたしました。 まず心身障害者福祉対策といたしましては、その基幹施設となりますリハビリテーションセンターを開設し、障害状態の正確な診断を行い、適切な療育、訓練指針を示すとともに、医療機関や福祉施設などとの有機的な連携のもとに生涯を通じたリハビリテーションや必要な援護施策を行うほか、引き続き職業更生棟の建設を行うことといたしております。また、精神薄弱者通所授産施設の建設及び更生施設の整備助成や身体障害者通所授産施設の整備助成、点字ブロックの設置、横断歩道橋のスロープ化など、施設整備の一層の充実をはかる一方、在宅障害者福祉対策として、新たに脳性麻痺など全身性障害者への介護入派遣事業、重度障害者に対する入浴サービス事業、緊急一時預り事業を実施するほか、ミニファックスなど日常生活用具の給付対象の拡大、難病患者給付金、地域障害者福祉作業センターの運営助成の拡充をはかるとともに、重度心身障害者に対する給付金及び介護手当の支給や医療費の公費負担を継続実施するなど、援護施策の充実に努めることといたしております。さらに、心身障害児教育につきましても、養護学校の施設整備、養護学級の増設を行うとともに、教育センター開設に伴い、養護教育部門を充実するほか、重度障害児のためのスクールバスの運行日数を増やすなど、総じて132億3,100万円を計上いたしました。次に、老人福祉対策といたしましては、特別養護老人ホーム2ヵ所の建設助成を行うとともに、新たに痴呆性老人短期保護事業を実施するほか、寝た切り老人の入浴サービス事業を拡充することといたしました。また、シルバー人材センターの運営を強化するほか、老人いこいの家21ヵ所の増設、健康増進対策としてのゲートボール場の整備、高齢者居室整備資金の増額を行うとともに、福祉電話の増設、老人医療費の公費負担の継続実施など、急速に進行しつつある高齢化社会に対応するため、施策の重点的充実をはかることとし、総じて194億8,200万円を計上いたしました。児童及び母子福祉対策につきましては、保育所整備として公立、民間合わせて5ヵ所の新改築を行うほか、夜間保育所の増設、延長保育や長時間保育の拡充を行うとともに、新たに乳幼児健全育成相談事業の実施等、保育内容の向上に努め、また留守家庭児童対策や児童健全育成事業の拡充、母子家庭医療費の公費負担など、児童及び母子福祉対策には、総じて244億1,300万円を計上いたしております。 次に、生活保護等の福祉対策につきましては、救護施設の建設及び整備助成を行うとともに、生活保護基準の引き上げ、緊急援護資金の増額をはかるほか、民生委員活動のより一層の推進、看護及び室料差額補給金、夏季、歳末見舞金の支給等の援護施策を実施し、また、あいりん地区対策として、社会医療センターや歯科診療所の運営助成を行うなど、総じて948億1,800万円を計上いたしました。さらに、ボランティア活動の振興をはかることとし、基金の増額、ひとり暮らし老人世帯への食事サービス事業の拡大、手話通訳者、盲人ガイドヘルパーの派遣などを実施するほか、民間福祉施設職員の処遇改善、社会福祉諸団体に対する助成など、民間福祉活動の推進に努めることといたしました。 次に、健康増進対策といたしましては、市民スポーツの振興をはかることとし、大阪城公園ジョギングコース、老人健康広場、スポーッ広場などの整備を実施するほか、新たに「なにわ自転車道」の建設に着手するとともに、長居球技場や北港マリーナの建設を推進することといたしました。さらに、スポーツ情報センター、指導者バンクの充実、各区の健康づくり推進事業のほか、新たに、地域における小学生の自主的なスポーツクラブを育成するとともに、学校開放の拡充、市民レガッタの開催など、総じて33億2,000万円を計上いたしております。 次に、医療保健対策といたしましては、老人保健法に基づく保健事業として、一般健康診査につきましては、新たに循環器検診車を整備し、一般診査と精密診査を同時に実施するほか、一定年齢者を対象とした計画検診並びに休日夜間の検診を実施するなど受診機会の拡大をはかることといたしました。また、胃がん検診においても、新たに、休日検診を実施するほか、子宮がん検診、在宅寝た切り者家庭に対する訪問指導及び健康手帳の交付など保健事業を積極的に推進いたしますとともに、老人保健医療給付費1,188億9,100万円を計上し、老人保健対策の推進に努めることといたしました。また、市立病院にドクターズカーを設置し、重症患者や未熟児の搬送に当たるのを初め、十三市民病院及び大学付属病院に、コンピューター断層撮影装置(CTスキャナー)を設置するなど、施設・医療用備品の整備充実を積極的に進めるほか、大学付属病院の本館を改築するため、資金を積み立てることといたしております。さらに、母子医療対策につきましては、小児がん等慢性特定疾患医療費の公債負担の拡充、母子健康管理の充実などをはかることといたしました。また、新たに、中央急病診療所において眼科、耳鼻咽喉科の土曜及び年末年始の夜間診療を実施するなど、救急急病医療対策を拡充するほか、献血に対する啓発活動の推進、保健所等の整備など医療保健対策には、総じて1,240億2,800万円を計上いたしております。また、40万7,000世帯、101万6,000人の市民の健康保持を担っております国民健康保険事業会計につきましては、医療給付関係費に1,262億8,000万円を計上いたしておりますが、国、地方を通じての医療費適正化対策などによる医療費上昇率の鈍化もあり、被保険者の保険料負担の増加は抑制されたものとなっております。さらに、助産費支給額の引き上げを行うほか、検診事業の拡大をはかるとともに、医療費の適正化と収入の確保にも努め、近く創設が予定されている退職者医療制度とあわせ、引き続き財政の健全化に取り組んでまいる所存であります。 次に、公害対策といたしましては、公害発生源工場の移転跡地の買収、公害防止のための設備資金の融資、大気汚染や水質汚濁の監視機構の整備、各種公害発生源に対する規制指導の強化をはかるとともに、公害による健康被害者に対する補償事業を実施するほか、学校施設に防音設備を整備することといたしております。さらに、都市廃棄物の効率的な処理と再利用のための研究開発にも努めることとし、総じて293億7,100万円を計上いたしました。 次に、学校教育の充実といたしましては、本年4月に教育センターを開設し、研修、研究の拡充をはかるほか、最新のコンピューターシステムにより、時代に即応した情報処理教育を行うとともに、新たにセンターをステーションとして教育問題についての電話相談や巡回相談事業を実施し、児童生徒の健全育成に努めることといたしております。小、中学校校舎の整備につきましては、校舎の増改築及び特別教室、講堂兼屋内運動場の整備など、総じて125億8,400万円、債務負担行為と合わせまして156億5,200万円を計上いたしました。さらに、中学校に柔道場を、小学校、幼稚園に木登りの森などを整備し、子どもたちのたくましい体と豊かな心を育てることといたしております。また、新設校、統合校用地などの取得費として146億3,500万円を計上いたしております。高等学校教育といたしましては、教室、実習室を中心とした校舎の整備、奨学金の増額など、総じて14億1,600万円を計上いたしました。また、幼稚園教育につきましては、園舎の整備、就園奨励費の支給、私立幼稚園児に対する教育費補助金の増額、幼児教育センターの運営など、総じて18億2,500万円を計上いたしております。このほか、窓枠アルミサッシ化、外壁の美装などの校舎補修、教育機器の充実などに31億2,300万円、また、新たに自然環境の中で児童の集団宿泊教育を行うのを初め、海外から帰国した子どもの受け入れセンター校を設置するとともに、中学生、高校生のスポーツ文化活動の振興、英語教育の充実、就学費補助金の支給などに18億500万円を計上いたしております。また、教育水準の維持向上に努めるため、学校維持運営費114億2,300万円を計上いたしております。市立大学につきましては、文科系学舎の増築に着手するほか、教養部化学実験室の増築、陸上競技場の整備、教育研究費など総じて22億5,100万円を計上いたしました。 次に、社会教育の充実につきましては、図書館2館の建設に着手するとともに、伊賀青少年野外活動センターでは、ロッジの整備を完了し、さらに勤労青少年ホーム1館を完成するほか、昭和60年の国際青年年に向けての取り組みを進めるとともに、青少年指導者の養成、非行防止対策などの推進をはかることといたしました。また、婦人学級、家庭教育学級の充実に努めるほか、国際婦人の10年関連事業を進めるとともに、地域社会教育事業の拡充、成人学校、高齢者学級等の充実など、総じて19億2,300万円を計上いたしました。 第2に、21世紀に向けてゆるぎない都市基盤と魅力ある都市景観を築くことといたしました。 まず、治水対策といたしましては、市内東南部の浸水対策として、平野川及び平野川分水路などの護岸改修工事に一層積極的に取り組むとともに、街路下などの調節池の建設をさらに推進いたしますほか、引き続き貯留浸透事業を実施することとし、債務負担行為を合わせ167億5,300万円を計上いたしました。下水道の整備につきましては、浸水対策を最重点とした新5ヵ年計画の初年度として、債務負担行為と合わせ503億円を計上し、市内東南部の抜本的な浸水対策である平野・住之江幹線の地下大水路建設に着手するほか、大社・住之江幹線などの継続事業、ポンプ場の増強工事などを推進することといたしております。また、水質保全対策として大野処理場等の処理施設を増設するほか、水洗便所の普及につきましても、設備資金貸付金を増額するなど100%水洗化を目指して、引き続き努力してまいる所存であります。 次に、総合交通体系の確立を目指し、地下鉄を中心に、バスとニュートラムを有機的に結ぶことといたしておりますが、地下鉄事業につきましては、御堂筋線の我孫子・中百舌鳥間、中央線の深江橋・長田間、堺筋線の動物園前・天下茶屋間で引き続き建設を進めてまいりますとともに、乗客サービスの向上のため御堂筋線の輸送力増強、駅冷房及びエスカレーターの設置工事を実施するなど、建設工事費に544億4,300万円を計上いたしております。バス事業につきましては、バス乗り継ぎターミナルの整備に努めますほか、低床ワイドドアの冷房車の購入、バスロケーションシステムの整備など、乗りやすいバスヘの改善に努めるとともに、専用レーンのカラー舗装などを実施いたします。 次に、道路、橋梁の整備につきましては、近鉄南大阪線、国鉄阪和線など道路と鉄道の立体交差化、桜島守口線、豊里矢田線など都市計画街路の整備、淀川新橋の建設着手など橋梁の新設、かけかえを推進いたします。さらに、交通安全のモデル地域となるゆずり葉ゾーンを新たに整備するほか、放置自転車対策や自転車駐車場の増設に努めるなど、総じて358億7,700万円を計上いたしました。なお、高速道路では、湾岸線など継続路線の建設促進に努めることといたしております。公園の整備につきましては、鶴見緑地において、昭和64年に開催予定の花の博覧会に向けて、市民が一層花と緑に親しめるよう、花の見本市「おおさか」84を開催するのを初め、毛馬桜之宮公園での樹木のライトアップ、児童公園のリフレッシュ計画を実施するほか、動物園では、コアラの受け入れ準備を進める一方、美術館前のデッキを完成させるなど、総じて94億8,400万円を計上いたしました。また、緑化の推進といたしましては、花と緑のターミナルづくりを初め、市民と一体となって、美しい町づくりを進める花と緑の協定の推進や緑化基金の充実をはかるほか、幹線街路樹の植栽や新たに実施する学校等のブロック塀の壁面緑化など、総じて9億1,600万円を計上いたしました。さらに、町並みを整え、美しい大阪の景観をつくるため、中之島周辺では、新たにガーデンブリッジの建設に着手するとともに、土佐堀川可動堰の改装、難波橋の橋上灯の復元をはかるほか、都心道路のリフレッシュ、中島水路跡プロムナードの完成などをはかることといたしております。また、町の美化対策といたしまして、道路清掃美化運動の育成などに努めるとともに、主要街路沿道における建築美観誘導等を引き続き行うことといたしました。さらに、河川環境の整備につきましても、水際緑化の実施、河川のしゅんせつ及び不法投棄対策など、道路、河川の美化に総じて39億7,200万円を計上いたしました。 次に、住宅対策につきましては、良質な住宅の建設を進めますとともに、特に中間所得者層に対する施策に重点を置き、民間分譲マンションの購入に対する融資条件の改善や融資戸数の拡充をはかるほか、地権者等が共同して行う住宅等の整備事業に対して助成することといたしております。市営住宅の建設につきましては、建てかえ事業を積極的に進め、公営住宅2,200戸、中間層向け特定賃貸住宅150戸を建設することといたしております。新婚世帯の市内定着をはかる施策といたしましては、引き続き市営住宅の別枠募集を実施するとともに、住宅供給公社分譲住宅及び民間分譲マンションの購入について、融資利率の優遇措置を行い、負担を軽減することといたしております。さらに、既存住宅の質の向上と有効活用をはがるため、250戸の住戸改善を行いますととともに計画補修を重点的に実施するなど、住宅対策に総じて819億8,100万円を計上いたしております。 次に、住環境の整備といたしましては、新たに高見地区において市営、公団住宅を合わせ422戸の建設に着手するほか、淀川リバーサイド地区におきましても143戸の住宅を建設するとともに、道路、公園などの整備を進め、さらに桜之宮中野地区の整備事業に着手するなど職住近接の町づくりを目指すことといたしております。このほか住宅地区改良事業及び住宅建設に伴う関連公共施設の整備を引き続き実施するなど、総じて152億3,600万円を計上いたしております。 次に、市街地再開発事業につきましては、274億400万円を計上いたしまして、阿倍野地区では再開発ビルの建設を推進するとともに、新たにC1の2地区におきましてもビルの建設に着手するなど事業を本格的に推進するほか、大阪駅前地区ではビル分譲の促進と地下街建設の準備調査を行うことといたしております。また、土地区画整理事業につきましては、104億1,700万円を計上いたしまして、新たに茨田地区、西梅田地区で事業に着手するとともに、長吉瓜破地区、東淀川東部地区の事業の推進をはかるほか、市内中央部地区においても、建物移転や街路工事等を引き続き進め、豊里地区では換地処分、新大阪駅周辺地区では換地処分のための準備に入るなど、各地区とも事業の早胡完了をはかることといたしております。さらに、港、大正両地区では引き続き収束に向けて事業を推進するとともに、大正区画整理記念事業を実施することといたしております。 次に、上水道の整備といたしましては、給水の円滑化と赤水の解消並びに主要幹線の耐震性強化をはかるため、引き続き配水管網の拡充整備に努めるほか、浄水場整備などを実施することといたしまして、103億円を計上いたしております。 港湾事業といたしましては、コンテナ埠頭の整備を初め、第1、第2突堤の再開発や、天保山岸壁の改造及び北港連絡橋、木津川新橋の建設、南港地区内道路の整備充実などを進めてまいります。また、野鳥園に通じる緑道やポートタウン周辺の整備をはかるなど、海と緑の調和した市民に親しまれる環境づくりを推進することといたしております。このほか、ポートセールスと外貨航路の誘致促進など、総じて184億800万円を計上いたしました。 次に、新市庁舎の建設につきましては、来年12月の完成を目指して、引き続き第2期工事の推進をはかることとし34億4,500万円を計上いたしております。 第3に、地域経済の振興をはかり、暮らしやすい文化を培う町づくりを進めることといたしました。まず、産業振興対策といたしましては、商工業の振興をはかるため、都市型工業の立地適正化対策として、中小工場立地適正化融資制度の創設とあわせ、シテイインダストリアルタウン(C.I.T)計画を推進するほか、中小企業金融の融資目標を1,270億円を引き上げるとともに、小企業事業資金等の融資限度額の引き上げを行うなど融資条件を改善することといたしました。また、先端技術化対策の推進といたしましては、大阪の特性を生かしたバイオサイエンス研究所の設計並びに研究開発体制についての調査を実施いたしますほか、南港、北港地区におけるテクノポート大阪計画の策定により国際情報都市づくりに取り組みますとともに、中小企業先端技術開発促進資金融資や複合技術研究開発事業などを実施することといたしました。さらに、商店街の振興に努めるとともに、中小企業の経営指導、企業診断の実施並びにニューメディア時代に向けて調査研究を行うなど、商工業の振興に総じて250億2,100万円を計上いたしました。 次に、大阪経済の国際化を推進するため、国際見本市新会場の完成をはかるとともに、新たに姉妹都市に経済交流ミッションを派遣するほか、第2回国際貿易投資コンベンションの開催、大阪コンベンションビューローの運営など、貿易の振興並びに国際経済交流の積極的な展開をはかることといたしております。また、大阪国際ファッションフェスティバルの開催などデザイン・ファッションの振興とともに観光事業の推進にも努め、大阪経浮の活性化をはかることとし、総じて180億4,600万円を計上いたしました。このほか、農畜産対策として、都市化関連農業用施設の整備、農業生産基盤の改善などを行い、都市農業の育成と都市緑地の保全をはかるため、2億700万円を計上いたしております。 次に、消費流通対策といたしましては、新食肉市場を開場いたしますほか、中央卸売市場及び小売市場の整備に努めますとともに、生鮮食料品等の価格安定事業、消費者相談・情報提供など、総じて25億5,200万円を計上いたしました。環境清掃の充実につきましては、定曜日収集の実施並びに粗大ごみ収集回数の増をはかる一方、収集機材及び焼却工場の整備、総合事務所の建設など、ごみ処理体制の充実をはかり、さらに、北港廃棄物埋め立て処分地の造成を推進いたしますとともに、大阪湾広域臨海環境整備センターの事業に対する分担のほか、産業廃棄物処理の規制指導の強化、斎場・霊園施設の整備をはかるなど、総じて177億7,500万円を計上いたしました。 次に、防災対策といたしましては、都市防災不燃化促進事業及び広域避難場所への誘導標識の設置を引き続き実施するとともに、防災拠点ともなる用地の買収、震災予防計画の策定並びに府市合同震災訓練などを行うことといたしております。また、新たに国道308号の共同溝の建設に着手するほか高潮対策として港湾地帯の堤防の耐震補強等を継続実施するなど、総じて36億5,900万円を計上いたしました。 消防力の充実につきましては、都市構造の変化に伴う予防業務の増大に対処するため、電算処理システムを導入するとともに、危険物火災対策として消火薬剤備蓄タンク、泡原液搬送軍などを整備することといたしております。また、大震火災対策として耐震性貯水槽可搬式ポンプの設置、無線機器の整備を行うほか、はしご車、化学車を初め各種消防救急器材の充実などに努めることとし、総じて11億1,600万円を計上いたしておりまます。 次に、市民が気軽に集い交流をはかるための拠点として、区民施設の建設及び区庁舎の整備を進めますほか、地域集会施設についても21ヵ所設置することといたしました。また、温かい心の通い合うコミュニティづくりを推進するため、区民まつりを初めとする多彩なコミュニティ事業の実施や、すきやねん大阪市民運動の推進に努めるとともに、市民生活に密着したきめ細かい広聴広報活動を展開することといたしております。 同和対策事業につきましては、91億4,100万円を計上いたしました。同和行政につきましては、従来から環境改善とともに人権問題としての市民啓発を中心に推進してまいりましたが、特に人権思想の普及向上など、今後とも取り組んでまいらなければならない課題でありますので、真に問題解決に資する施策を精査しつつ推し進めてまいりたいと存じます。事業の内容といたしましては、まず、人権意識の高揚、福祉・教育の充実、地区住民の自立意識の向上をはかりますほか、保健衛生の増進などに努めてまいることといたしております。なお、このほか関連事業として、住宅、学校施設、児童公園、地区内道路の整備など、合わせて75億4,700万円を計上いたしております。 芸術文化の振興といたしましては、新たに、児童、生徒の絵画、書道などの展示の場として、ユースギャラリーを設置いたしますとともに、歴史の橋、旧街道等の整備に着手するほか、難波宮跡、大阪城の太鼓櫓石垣など文化遺産の保存と顕彰に努め、史跡連絡遊歩道の整備も進めることといたしております。さらに、芸術文化団体への助成、御堂筋ギャラリー、中学生・高校生のための交響楽教室、新修大阪市史編さん事業の推進をはかるなど、総じて8億9,400万円を計上いたしております。 第4に、大阪市制100周年記念事業及び大阪21世紀計画を推進し世界に貢献する国際都市大阪を目指すことといたしました。本年は、新しい時代の大阪の創造を目指した大阪市制100周年記念事業の基本構想の実現に向けての初年度として、大阪21世紀計画とも連携をはかりつつ、市民の知恵と活力を結集して、記念事業の推進をはかることといたしております。 まず、世界に開かれた市民の空の玄関となる関西国際空港計画につきましては、いよいよ本年事業主体の設立が予定されるなど、新しい一歩を踏み出すこととなりましたが、新空港の早期実現に向かって、さらに積極的に取り組んでまいる所存であります。 また、浸水対策といたしまして、平野・住之江幹線の地下大水路建設に着手するほか、花の見本市「おおさか」’84を開催するなど「花の博覧会」の開催準備、バイオテクノロジーの調査研究、「テクノポート大阪計画」の策定、国際交流センターの調査設計並びに国際見本市新会場の完成をはかることといたしております。さらに樹木のライトアップなど水・緑・光計画及び健康大阪計画を推進するとともに、近代美術館構想調査などを実施するほか、市制100周年記念事業の啓発に努めてまいります。また、大阪築城400年まつりのイベントを継続、定着化することとし、「大阪国際ファッションフェスティバル」など各種イベントを推進することといたしております。また、国際交流の推進をはかるためIULA(国際自治体連合)と共催し、「活力ある都市をめざして」をメインテーマに「第4回IULA大都市フォーラム・イン・OSAKA」を開催いたしますとともに、友好都市提携10周年を迎える上海市を初め、姉妹・友好都市との間で市民各層にわたる幅広い交流を一層推進いたします。さらに、都市工学の情報提供、研究者や技術者等の受け入れ、派遣のほか、新たに「大阪フェローシップ基金」の分担などを通じまして、世界への貢献をはかってまいりますとともに、姉妹都市経済交流ミッションの派遣、海外見本市への参加、ボートセールスなど貿易の振興についても意を注いてまいる所存であります。 以上をもちまして、各会計にわたり昭和59年度歳入歳出予算並びに関連諸案件の大要について御説明申し上げたのでありますが、なお詳細につきましては、各常任委員会において御審議いただくことと存じますので、その機会に譲ることといたします。 何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げる次第であります。
◆24番(
浜口晴敏君) 動議を提出いたします。本日の議事はこの程度で打ち切り、3月6日午前10時より会議を続行せられんことを望みます。
○議長(
木下伸生君) 24番議員の動議に御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
木下伸生君) 御異議なしと認めます。よって動議のとおり決しました。
△閉議
○議長(
木下伸生君) 本日の日程は以上で終了いたします。
△散会
○議長(
木下伸生君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後3時9分散会--(報告第1号は会議録別冊の2に登載)--
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号 --------------------------------------- 大阪市会議長
木下伸生(印) 大阪市会議員 山口泰弘(印) 大阪市会議員
青木仲三郎(印)◯大阪市会(定例会)会議録(昭和59年3月1日)(終)...